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この対角線の結び方を変えてみるとき、展開形状が全く重なれば一平面であるが、対角線の取り方により展開形状に差が出れば、この四辺形面は振れており、つまり可展面ではなく、非可展の曲面であるこのとき、どちらの対角線でもよいから、KL線とすれば、この振れ面は二つの
平面の合成に置代えることができる。
この振れ面の事例として、H形材柱を支えるTransverse WebのDouble Tripping Bracket(図2.3.3)を考えよう。Bracket(BKT)の上端はH形材のフランジ面に一致せねばならず、下縁はLong.Fr.の走行に合わせねばならない。BKT面は振れるのであるあとで説明するが捩れ面の展開は近似的にしかできず、即、精度が悪く、曲げ加工用捩れ型が必要になり、焼曲げのため加工は面倒になるそれに取付け度は位置指定が要る空間の直観ができない設計者は、無自覚にこのような

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図2.3.3

振りを発生させてしまう。この振れはKL(Knuckle)に代えられるので、図面を訂正して貰うとよい。
現図側で気を利かせて図面を補うときも、あと図面の改訂を確認しておく。現図は常に図面指示通りに作業しなければいけない。この原則の遵守が、設計の水準を高め、派生するトラブルを防ぐ。
3.2 柱面と錐面
直線のロールラインが:
すべて平行な曲面を⇒柱面
すべて一点に交わる曲面を⇒錐面
といい、プレスだけで曲げ加工を完了できる。図学では、もう一つ可展面として、接線曲面があるが、造船では意識的にこの曲面を適用することはなく、設計結果として類似した面が発生しているとしても、捉えようがなく、振れ面として非可展面の中で扱うのが実際的である(図2.3.4)。
柱面の展開は、ロールラインが平行なことに着目し、各ロールラインの間隔を求め、その間隔を平面上に延して、ロールライン実長を目盛ることにする巻寿司を作るのに使うみすを想像すればよい(図2.3.5)。
ロールラインの間隔は、ロールラインに直交する平面を想定し、柱面とその平面との交線の実長を求めることに帰する。
錐面の展開は、ロールラインの交点(頂点)に着目し、その

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図2.3.4

 

 

 

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